サイフォン式とは?サイフォン式コーヒーの淹れ方は?

 

まるで実験器具のような道具を使って入れるサイフォンコーヒーは、喫茶店やカフェで見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。フラスコの中でこぽこぽと湧くお湯、上下するコーヒー…楽しいパフォーマンスで、美味しいコーヒーが淹れられるサイフォンがあれば、友人や家族と過ごすひと時がもっと楽しくなるはずです。

 

サイフォン式コーヒーの歴史

1800年代にヨーロッパで誕生したサイフォン式、いつ誰が発明したのかの詳細は分かっていませんが、1830年ごろにはドイツやフランス、イギリスなど、ヨーロッパ各地ですでにサイフォン式コーヒーが普及していました。現在のサイフォンとほとんど変わらないガラス風船型サイフォンは、1841年にフランスのヴァシュー夫人が考案したものです。

 

日本にサイフォンコーヒーがやってきたのは大正時代のこと、大使館付医務官としてシンガポールに赴任した河野彬さんが、医療器具を使ってコーヒーを淹れることを思いつき、帰国後の大正14年に、ガラス製のコーノ式サイフォンを販売したのがきっかけで、全国に広まりました。

 

サイフォン式の仕組みは?

簡単に言えば、フラスコ内の気圧の変化によってコーヒーを抽出するのがサイフォンの仕組みです。サイフォンの道具は、①お湯を沸かすアルコールランプ②フラスコ③ロート④スタンドの4つの部分でできています。

 

スタンドにセットしたフラスコの中に入れた水は、アルコールランプで温まり、沸騰します。沸騰したお湯からは蒸気が発生します。これにより、お湯はフラスコの上部のロートに吸い上げられます。アルコールランプを外すと、蒸気はなくなるので、今度は逆にコーヒーはフラスコに落ちます。この時に、布フィルターを通してろ過するので、粉は残り、抽出されたコーヒーだけがフラスコに落ちるのです。

 

サイフォン式コーヒーの淹れ方

金属性のろ過器に、円形のネルをセットします。新しいネルは、いったん熱湯にくぐらせてから使います。フィルターをセットしたロートに人数分のコーヒー粉を入れます。

 

サイフォン式には中粗挽きがよいとされています。フラスコに人数分のお湯を入れ(1杯分120ml)、外側の水滴をきちんと拭いてからスタンドにセットし、アルコールランプを点火します。

 

フラスコの上にロートを斜めにセットしておきます。沸騰してボコボコとお湯が泡立ったら、ロートをまっすぐにセットします。蒸気によりお湯が上のロートに上がるので、付属のスプーンや木べらでよく攪拌します。きちんと混ぜないと、コーヒーの粉が混ざらないので十分に抽出できず、薄いコーヒーになってしまいます。

 

1分ほどたったら、アルコールランプを外して火を消します。フラスコが冷えて、コーヒーは下に落ちていきます。コーヒーが完全にフラスコに落ちたら完成です。

 

一見難しそうですが、やってみると意外と簡単で、初心者でも問題なく淹れられます。アクが分離され、取り除かれるので、ドリップコーヒーよりも味がまろやかで、スッキリとしています。