喫茶店やコーヒー豆のパッケージに「ブレンド」と書かれたものをよく目にします。なんとなくわかっているようで、実はこのブレンドとは一体何なのかを正しく理解できていないかもしれません。
ブレンドとは
ブレンドとはその名の通り「混ぜてある」コーヒーです。つまり、数種類の品種のコーヒー豆をブレンドしたものを指します。コーヒー豆は大きくアラビカとロブスタに分けられますが、アラビカだけでもその品種は200以上あると言われています。それぞれの産地によって豆の味わいや特徴は大きく異なり、それぞれが独特の味を持っています。
数種類のコーヒー豆をブレンドすることで、味により深みを持たせることができます。それぞれのコーヒー豆には長所や短所がありますが、それらを補い合うことで、より美味しいコーヒーを作ることができるわけです。例えば、苦みとコクは弱いもののとても風味豊かなコーヒーに、苦みを持つ別のコーヒーをブレンドすることで、全体的にバランスの取れた味にすることができます。
ストレートとは
コーヒー豆を別の豆と混ぜることなく使用することをストレートと言います。ウィスキーのように、シングルとも言うこともあります。
ストレートで飲めば、そのコーヒー豆の持つ個性が十分に生かされます。ストレートは「ブラジル」とか「ケニア」など、その原産地で表記されることがほとんどです。私たちがよく耳にする「モカ」や「ブルーマウンテン」なども、ストレートのコーヒーの表記です。それらのコーヒーをベースに、他の豆をブレンドした場合には「ブラジルブレンド」とか「ブルーマウンテンブレンド」というように表記されます。
ストレートとブレンド、それぞれの良さを味わう
ストレートとブレンドのどちらが美味しいのかと言われたら、その答えは「どちらも美味しい」です。ウィスキーやお米にもブレンドが存在するように、コーヒーにもブレンドが存在しているわけで、それはどちらも美味しいですし、それぞれに長所があるからです。
概ねブレンドされたコーヒーはベースとなる豆の個性が失われない程度に、かつ短所を補うように考えて、ブレンドされています。そのため、とても飲みやすく、万人受けする味わいのものが多いです。
一方、ストレートはその豆の本来の味わいがそのまま表れます。そのため、高価な希少の豆であっても、自分の好みでなければ美味しいと感じないかもしれません。しかし、それがストレートの豆のおもしろいところです。いろいろな産地のコーヒーをストレートで味わうことにより、それぞれの産地の特徴や風味を知ることができます。
知識と経験に基づいて、自分でブレンドに挑戦するコーヒー上級者も多くいます。コーヒーはとても奥深い飲み物と言われるのには、そのような理由もあるわけです。美味しいブレンドコーヒーを飲んだ時には、ベースがどの豆なのかを把握して、次はその豆をストレートで飲んでみましょう。お気に入りの豆が見つかるかもしれません。