キャンプを題材にしたアニメや映画が流行っていることもあり、最近アウトドアに興味を持ち出したという人は多いようです。そこで、今回はアウトドアでも淹れたてのコーヒーを楽しめる道具はないか?という質問にお答えします。
西部のカウボーイが愛用したパーコレーター
パーコレーターは、ドリッパーもペーパーフィルターも要らない、ポット型のコーヒー抽出器です。1800年代にフランスで誕生したパーコレーターは、西部開拓時代のアメリカで普及しました。映画やドラマなどでカウボーイが焚火を囲み、ポットでコーヒーを淹れる様子を見たことがあるのではないでしょうか。
水と粉をセットして、火にかけるだけでコーヒーが抽出されるので、屋外でコーヒーを淹れるのに便利です。また、中のバスケットを外せば普通のポットとしても使用できるので、お湯を沸かせるのはもちろん、アウトドア上級者の方のなかには、パーコレーターのポットでうどんやパスタを茹でるというツワモノもいます。
パーコレーターの仕組みは?
ポットの中には、バスケットと言われるパーツが入っています。バスケットの底には穴が開いていて、中心に細いパイプが通っています。コーヒーの粉をバスケットに入れて、水を入れたポットにセットします。フタをして火にかけると、水は沸騰して蒸気となり、ポットの内圧が高まります。すると、細いパイプを通してお湯が上へのぼり、吹き上がって上蓋にあたったお湯は、粉の上にシャワーのように降り注ぎます。粉からコーヒーが抽出されて下へ落ち、ポットに溜まっている沸騰したお湯の中に抽出液が落ちます。このようにして、お湯はポットの中で循環し、抽出を繰り返してコーヒーができます。
ポットの上蓋はガラスになっていて中を覗けるので、コーヒーの色を見て出来上がりを判断します。火にかける時間が長すぎると煮詰まるので、ほど良いところで火からおろしてください。
パーコレーターで淹れたコーヒーの味は?
抽出されたコーヒーは、再びお湯の中に戻り、何度も何度も循環を繰り返してコーヒーが出来上がるので、ドリップ式のコーヒーと比べると薄くてあっさりした味わいのアメリカンコーヒーになります。ミルクや砂糖など入れずに、カウボーイのようにそのまま飲みましょう。色も味も薄めなので、コーヒーが苦手な人でも飲みやすいです。粒度が細かいと粉だらけのコーヒーになるので、中挽きまたは粗挽きの粉を使ってください。豆は浅煎りから中煎りがいいでしょう。苦みの少ない品種の豆がパーコレーターには向いています。
パーコレーターを使うなら、標高が高い所で淹れるほど美味しいと言われます。なぜなら、標高が高いと沸点が低くなるので、低い温度でお湯が沸騰してコーヒーが抽出されます。その分、雑味などが出にくいので、味わいがマイルドになるのだそうです。登山や高原でのキャンプの際には、ぜひパーコレーターを使ってコーヒーを淹れてみてください。