ドリップ式が誕生したのはいつ?

 

日本では緑茶党、紅茶党よりも、コーヒーが好きだという人が圧倒的に多いそうです。寒い時の飲み物は何がいい?という質問に対し、約70%の人が「コーヒーが好き」と答えました。江戸時代に日本にやってきたコーヒーは、今ではすっかり定着し、私たちの暮らしに欠かせない嗜好品になりました。今回は、コーヒーを淹れるのに欠かせないドリップについてのお話です。

 

トルコ式コーヒーが主流だった

コーヒーはアラビアが起源だという説がありますが、最初はコーヒーの実と葉を一緒に煮出して、その煮汁を飲んでいました。種子を煎り、石臼で挽いて粉にするようになったのは、13世紀に入ってからのことです。当時はトルコ式コーヒーが主流でした。イブリック(ジェズベとも言います)という長い持ち手の付いた真鍮の小鍋に、コーヒーの粉と水、砂糖をたっぷり入れて、炭火や熱した砂の上に置き、スプーンでかき混ぜながら、ゆっくり時間をかけて煮立たせます。ブクブクと泡立ち、沸騰したら、そのままカップに注いで飲みます。この方法で淹れると、ろ過していないため、粉が混ざっています。粉がカップの底に沈むのを待って、それから上澄みだけを飲みます。コーヒーの苦みや旨みが十分に出て独特の味わいがありますが、粉が口に残るため、後味はよくありません。

 

ドリップコーヒーはいつ誕生した?

最初にドリップ式の淹れ方を発明したのは、フランス人のブリキ職人ドン・マルティンでした。時は1763年、ポットの中に垂らした布袋に挽いた豆を入れ、熱湯を注ぎ、抽出しました。これにより、コーヒーは煮出すものから、漉して抽出するものに変わりました。

 

1800年代初頭、さらにドリップ式コーヒーは進化します。フランス人ドゥ・ベロワの開発したドリップポットは、上下2段に分かれていて、上部には底に小さな穴が開いています。上の部分に粉を入れ、熱湯を注ぐと、穴を通って下部にろ過されたコーヒーが落ちる仕組みになっています。この発明によって、ドリップ式コーヒーがヨーロッパのスタンダードになりました。ですが、これらの方法では完全にろ過できないので、トルコ式ほどではないものの粉っぽさは残るという問題がありました。

 

ペーパードリップはドイツで誕生した

フランスでドリップ式のコーヒーが生まれてから、さらに時は過ぎ、1908年のドイツでペーパードリップが誕生しました。最初にペーパードリップを開発したのはアマリエ・オーガスタ・メリタ・ベンツという女性です。メリタは世界有数のコーヒー道具メーカーですが、そのメリタの創業者です。

 

彼女は2人の息子を持つ専業主婦でしたが、夫に美味しいコーヒーを淹れてあげたいと思っていました。布や金属で漉したコーヒーは粉が残るため、コーヒー器具の手入れは面倒なものでした。そこで、メリタはもっと手軽にコーヒーを淹れる方法はないかと考え、紙でろ過する方法を思いつきます。これがペーパードリップの誕生であり、1人の主婦のアイデアが国際的な大企業を誕生させ、この発明によって、誰でも簡単にコーヒーを淹れることができるようになりました。