コーヒーが経済に及ぼす影響

コーヒーの市場

現代では、コーヒーは世界各国でよく飲まれています。1年間における1人あたりの消費量の調査によると、上位の国では年間8㎏から10㎏程度の個人の消費があるとされています。小売金額の規模は、880億ドルにもなるとされています。日本では、年間3㎏から4㎏程度が個人として消費されているといわれており、市場の規模は2兆円をこえると言われています。統計では、消費量は世界各国で緩やかに増加傾向にありましたが、2019年に新型コロナウィルスの世界的な蔓延により、2020年の消費量は減少しました。自粛や時短営業により、喫茶店やカフェなどでの消費が減少したことが要因と見られています。ただし、在宅ワークやいわゆるおうち時間の増加に伴い、家庭内での消費は拡大したとされており、今後も家庭内での消費が増えると予測されています。

 

世界におけるコーヒー業界

世界では、欧州連合やアメリカを中心にコーヒーが消費されており消費量の上位にランクインする国も多く、コーヒー業界で売上の上位に入る企業もアメリカやヨーロッパで創業された企業が中心でした。

しかし、近年注目されているのが中国でのコーヒー市場の急激な拡大です。調査によると、中国のコーヒーの消費量は、年間15%増加しているとされ、現在の市場の規模は4兆円ほどと推測されていますが、数年後には15兆円をこえるのではないとの見方もあります。調査によれば、中国では1年間に個人が消費するコーヒーは、5杯ほどとされ、アメリカやヨーロッパの約300から600杯に比べると非常に少なく、今後も大いに需要が見込めるからだとされています。また、主にコーヒーショップを展開している企業は、アメリカやヨーロッパの大手のチェーン店でしたが、近年では、国内で新興のコーヒーショップのチェーン店が誕生し、急速に成長をしています。中国の市場の変化に伴い、世界のコーヒー市場の変化も十分に考えられます。

 

日本のコーヒー業界の動向

日本でも、コーヒーの消費量は増加傾向にあります。20年前から比べると1.5倍にもなっています。カフェ業界の市場も緩やかに増加しています。特に、大手のチェーン店は、出店を拡大しており、ハイペースで展開しています。ですが、新型コロナウィルスの感染拡大もあり、営業の自粛および時短での営業また、在宅ワークなどの影響で来客者が減少し、倒産や店舗の縮小に追い込まれるなど厳しい状況になりました。その一方で、豆や関連品をネットで販売するなどの販路の拡大やテイクアウトを展開したりと新たな取り組みを始めています。

 

また、近年ではコンビニエンスストアがオリジナルの商品でコーヒーを本格的に展開を始めました。テイクアウトとしてのコーヒーの売上は増加傾向にあり、今後需要が高まると見込めます。また、インスタントコーヒーにおいても貿易量として1%増というデータも出ていて、売上が上がってきている現状です。新型コロナウィルスの影響を受けて家庭内でのコーヒーの需要が拡大され、今後はコーヒー業界が多様化していき、各社競争が激化していくことが予想されます。