アラビカとロブスタの違い

 

コーヒーが好きな人なら、「アラビカ」や「カネフォラ」、そして「ロブスタ」という名前を聞いたことがあるかもしれません。普段はあまり気に留めないかもしれませんが、それぞれの品種にはどのような違いがあるのでしょう。

 

アラビカとは

アラビカとはコーヒー豆の品種の一つで、200以上の種類があると言われています。原産はアフリカとされており、生産されているコーヒーの内の半分以上はアラビカ種です。一般的にアラビカの豆は風味が良く、程よい酸味があることが特徴です。よく耳にする「ブルボン」や「ティピカ」などはアラビカ種のコーヒーです。

この品種はとてもデリケートで、栽培するのが難しいうえに収穫量も少ないです。そのため、限られた地域で栽培されるアラビカ種のコーヒーは希少価値も高く、高値で取引されることもしばしばあります。

 

ロブスタとは

ロブスタとは、カネフォラ種の内の一つの品種の豆を言います。アラビカと一緒に説明されることが多いので間違えやすいですが、正式にはロブスタ種ではなく「カネフォラ種ロブスタ」です。カネフォラ種はアラビカ種に比べて品種が少なく、そのほとんどがロブスタです。そのため、ロブスタの名前がメジャーになっており、耳にすることが多いです。

ロブスタは、アラビカ種に比べて栽培が比較的簡単にできます。収穫量も多いため、アラビカ種が病気でダメージを受けてしまった地域で、ロブスタへの栽培に切り替えたという事例もあります。

味は苦みが強く、酸味はほとんどありません。収穫量が多いことやはっきりとした苦みがあることから、缶コーヒーやインスタントコーヒーの原料としてよく用いられています。

 

アラビカとロブスタどっちが美味しいか

では、アラビカとロブスタではどちらの品種の方が美味しいのでしょうか。一般的にはアラビカの方が美味しいと言われますが、それはアラビカ種がロブスタに比べて高価なこと、そして品種が多いことからそのように言われているようです。アラビカ種にはとても希少な豆も多いため、そしてそれぞれに独特の風味があるため、そのような希少豆は一度は飲んでみたい品種としても取り上げられます。実際に、喫茶店などのコーヒー専門店ではアラビカ種の豆を多く取り扱っています。

 

それはロブスタが美味しくないというわけではありません。確かにアラビカ種に比べて、ロブスタは風味や酸味が劣ると言われています。しかし、アラビカ種にはない強い苦みやコクはロブスタの特徴であり、アイスコーヒーやエスプレッソ、カフェラテなどに向いています。また、ブレンドで使うことでもその特徴がうまく活かされます。決して安いので美味しくないというわけではありません。

 

アラビカとロブスタのどちらが美味しいのかという質問の答えは、はっきり言って好みの問題になると思います。アラビカの方が高価で、味も繊細で風味豊かです。酸味のある風味豊かなコーヒーをストレートで楽しみたい人にはアラビカがお勧めですが、ガツンとした苦いコーヒーやミルクなどと楽しみたい人はロブスタの方が良いかもしれません。